実は現在次女が入院中です。
まあ、もう明日には退院になるのですが、初めての入院で最初の2日ぐらいは朝晩「さみしい」と泣きながら電話をしてきたりしていました。でも、元気になるにつれそれもなくなり、「お菓子が食べたい!」「Wi-Fiがない!!」という不満を連絡してくるほどになりました。
さて、今回はその次女の入院に関しての話です。
入院の始まり
次女は発熱で、元々はいつも行っているかかりつけ医にかかっていました。
しかし、5日経っても40度以上の熱が続き、入院した方がいいという話になり、かかりつけ医から紹介された病院に入院することになりました。
この時点でかかりつけ医からこう言われました。
「PCR検査をしないと入院できないらしくて、結果が出るまでは個室で個室代がかかるんだって」
インフルエンザとコロナ抗原検査は陰性だと伝えても駄目。かかりつけ医でもPCRはできると伝えても駄目。…仕方ない、そういう決まりなのだろうと、この説明は納得できないながらも受け入れました。
入院先の病院
熱は40℃超え、座っていることもできない次女。
病院に着くと隔離室のようなところに通されましたが、診察はなかなか始まらず。車椅子やストレッチャーで待つ時間が続き、とてもつらそうでした。
その間に私は入院の説明を受けました。
「基本は大部屋希望」であることを伝えた上で、PCR検査の結果が出るまでは個室で、個室料金がかかるという説明を受け、同意書にサインをしました。
この時点では「仕方ないのか…」と思っていたのです。
マイコプラズマ肺炎と診断
やっと診察になり、「マイコプラズマ肺炎です」と診断されました。
そのうえで主治医(副院長)からこう言われました。
「マイコプラズマだと他の入院患者にうつっちゃうから隔離で個室だわ。で、申し訳ないけど個室料金がかかるんだ」
私は混乱しました。隔離のための個室なのに、差額ベッド代がかかるのか?
「隔離のための個室でも料金がかかるんですか?」と聞くと、先生はこう答えました。
「ウチは個人病院だからさぁ、勘弁してね」
娘は高熱で泣きながら「なんか色々大変な病気になっちゃったの?ごめんね」と言っている。違う!娘は何も悪くない!
でも、この状況で「嫌です」と突っぱねて別の病院を探す選択肢は、現実的には取れませんでした。私にできた返事は「……わかりました」しかなかったのです。
隔離生活と違和感
こうして入院生活が始まりました。
完全隔離で、ドアには「感染隔離中」の張り紙。部屋からは一歩も出られず、トイレもポータブル。もちろんシャワーも浴びられません。
これで「差額ベッド代」を取るのはおかしくない?
16歳の女の子が、トイレもベッドの横のポータブル。トイレの隣の部屋なのに?!
やっぱりおかしい!
徹底調査と行動
納得できない私は調べまくりました。
結果、厚生労働省の通知では、治療上必要な個室や病院の都合による個室の場合、特別の療養環境に係る費用(差額ベッド代)を請求してはならないと定められていることを知りました。
ただし、「患者側が希望して同意書にサインした場合」は別。
…そう、私はその同意書にサインしてしまっていたんです。
でも!
あくまで「PCR検査結果待ちの個室」の説明の段階での同意書であって、隔離のための個室の説明はそのサインの後でした。
これは戦うしかない。
お金が1番大事?
書類の再確認などで病院とやり取りする中で、看護師さんに「一番心配なのは差額ベッド代のことですか?」と聞かれたこともありました。
そのとき私ははっきりと伝えました。
「違います。一番心配なのは娘のことです。
ただ、お金のことは大事なことなので調べてほしいんです」
娘の体調が第一なのは当たり前。なんで「お金が1番大事な親」みたいに言われなくちゃならないの?
さらっとそんな質問をしてくる看護師の言葉にショックも受けたし、悔しさも感じました。
そして、その看護師さんに「うちの病院は個室に入院されてる方全員から個室代を頂いている」「個室と言ったって入院なんて快適なはずがない」と言われました。
この病院にしか務めたことがない、というその看護師さんとしては、入院して個室に入ったら差額ベッド代を払ってもらうのが半ば当然になっている様でしたが、制度として掲げられている以上、病院のローカルルールで押し通されるのは納得できません。
相談の旅
そこから私は考えられる相談先へと連絡をしてみました。
市役所に行ってみる → 門前払い。
健康保険組合に電話 → 「厚生局に聞いてください」。
初めて聞く名前「厚生局」。調べたら厚労省の出先機関。簡単に電話していいのかすらわからず、不安でした。
でも、電話しました。
すると無愛想なおじさんが一言、
「それは払わなくていいです」
私は「どうやって病院に伝えれば?」と聞くと、
「厚生局に言われたと伝えればいいですよ」
……いやいや、簡単に言ってますけどっ!と思いました。
でも、この一言は大きかった。
調べると厚生局とは、病院が健康保険のルールを守って診療しているかを監督する機関でした。
まさに、今回のような時に相談する所だったのです。
主治医と事務長の食い違い
もう一つややこしいことがありました。それは、病院内でも説明が食い違っていたことです。
主治医(副院長)は私にはっきりとこう言いました。
「個人病院だから勘弁して」
ところがこの話を事務長に伝えたところ、
「先生は制度のことをあまりご存じないので」
と、あっさり否定。
え?同じ病院なのに??と、本当に驚きました。
これ、事務長と話す機会のない、知識のない人は
「そうなんだ。」と思って当たり前に支払ってしまうよね?
「未払いで結構です」という提案
さらに驚いたのは、事務長の最初の提案でした。
「じゃあ未払いってことで…。しばらく請求書が届きますが、無視していただければ」
……いやいやいや。ゾッとしました。子どもの名前で未払い記録が残るなんて、絶対にありえない。マジで何言ってるの?未払いでは根本的な問題解決にならないし、制度的にもおかしいでしょ?と即拒否しました。
決着
時系列としては、副院長と話す→
「個人病院だから勘弁して」&「私はあくまでも治療。お金の事は事務長と話して」
その後事務長と話す→「未払い扱いの提案」だったのですが、その提案をされ、初めて
「市役所 → 健康保険組合 → 厚生局」に確認してきた流れを伝えると、事務長もようやく厚生局の判断に従う形に。
結果として「最初のPCR検査待ちの2日分のみ自己負担、それ以降の隔離に伴う個室代は不要」という結論になりました。
ただ、同じ病院の中でさえ説明が食い違っていたことは、今でも強い違和感として残っています。
まとめ
今回の件で強く思ったのは、
「知らないと損をする」ということ。
本来払わなくていい差額ベッド代を、制度を知らずに「仕方ない」と払ってしまっている人がたくさんいるんじゃないか?ということです。
16歳の娘が泣きながら隔離され、ポータブルトイレで過ごしている状況で「個人病院だから勘弁して」なんて言葉は通用しない。
患者や家族は制度を知って、自分の声を届けなきゃいけない。
今回、厚生局に助けられたことで「声を上げて行動することの大切さ」を実感しました。
同じように悩んでいる人がいたら、この体験が少しでも力になれば嬉しいです。
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